溶剤吸着燃焼装置
本製品の担当窓口 機械システム事業部
概要
小スペース・低ランニングコストを実現。 粒状活性炭を使用する固定床式排ガス処理装置は2000 塔以上の納入実績を誇り、豊富なノウハウを有し、溶剤濃度の大きな変動・溶剤含有ガスの断続的な排出にも対応可能である点が特色となっております。 |
特長
省エネ(低ランニングコスト)
安全性
吸・脱着性能
排熱回収・付帯設備
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用途
塗料・塗装関連からの排ガス処理
印刷(ドライラミネート・グラビア印刷)関連からの排ガス処理
フィルム製造及び接着工程、粘着テープ製造関連からの排ガス処理
化学製品製造関連からの排ガス処理
炭化水素溶剤の乾燥及び脱溶剤からの排ガス処理
その他
溶剤吸着燃焼装置の用途
1.用途例(発生源・対象設備等):工場からの集合排気、洗浄機・乾燥機からの揮発ガス等
2.対象溶剤
- 炭化水素系-非水溶性溶剤・・・ベンゼン ・トルエン ・キシレン・スチレン ・ヘキサン ・灯油 等
- 炭化水素系-水溶性溶剤・・・メタノール ・エタノール・酢酸エチル ・酢酸ブチル・IPA 等
フロー

仕様
吸着塔 1塔当たり 標準寸法 幅mm×長さmm |
2塔式 処理風量 m3/min (Max) |
3塔式 処理風量 m3/min (Max) |
4塔式 処理風量 m3/min (Max) |
5塔式 処理風量 m3/min (Max) |
6塔式 処理風量 m3/min (Max) |
630W×800L | 20 | 39 | 59 | 79 | 98 |
800W×1000L | 31 | 62 | 94 | 125 | 156 |
1000W×1250L | 49 | 98 | 146 | 195 | 244 |
1250W×1600L | 78 | 156 | 234 | 312 | 390 |
1600W×2000L | 125 | 250 | 374 | 499 | 624 |
2000W×2500L | 195 | 390 | 585 | 780 | 975 |
実験設備
クリモトでは、当装置を工場内に設置しております。貴社の排ガスによるテストをご希望の際は、ご遠慮なくお申しつけ下さい。
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装置仕様
ユーティリティ仕様
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溶剤吸着燃焼装置Q&A
- Q1
どのような用途に最適ですか? - A1
VOC(溶剤を含む排ガス)処理において、蓄熱燃焼装置、触媒燃焼装置、 直接燃焼装置の代替に最適です。 - Q2
どの様な排ガスを処理することが可能ですか? - A2
燃焼可能な溶剤を含むガスが処理可能です。
塩素系の溶剤を含む場合は、処理できませんので、溶剤回収装置にて対応する必要があります。
※蓄熱燃焼装置、触媒燃焼装置、直接燃焼装置も同様です。 - Q3
処理可能な溶剤濃度は? - A3
目安は、200ppm~5000ppmとなります。
(より高濃度の場合は、希釈して処理可能です。)
トルエン換算で250ppm以上の熱量があれば、溶剤の熱量で燃焼を賄えます。(自燃)
参考
触媒燃焼装置の自燃領域はトルエンで約1000ppm以上となります。
蓄熱燃焼装置の自燃領域はトルエンで約500ppm以上となります。
直接燃焼装置の自燃領域はトルエンで約3000ppm以上となります。
※溶剤吸着燃焼装置は他の燃焼装置に比べ省エネです。 - Q4
爆発の危険性? - A4
爆発の危険を回避するため、処理ガスは爆発限界以下の濃度にする必要があります。
トラブルにより爆発限界を超えてしまった場合、触媒燃焼装置、蓄熱燃焼装置、直接燃焼装置では、熱交換器の部分でガスが高温の面に接触するため、爆発の可能性が非常に高くなります。
溶剤吸着燃焼装置は、ガス処理と燃焼が別々に行なわれ、ガス処理ラインに高温の部分がありませんので、爆発の危険性は低く抑えられます。 - Q5
設置場所の制約は? - A5
溶剤吸着燃焼装置、触媒燃焼装置、蓄熱燃焼装置、直接燃焼装置とも燃焼を行いますので、非防爆域に設置が必要です。
防爆域に設置が必要な場合は、溶剤回収装置による対策を推奨します。 - A6
燃焼室の大きさは? - Q6
溶剤吸着燃焼装置は、活性炭と水蒸気により溶剤を濃縮後、燃焼させるので、燃焼室容積は、触媒燃焼装置、蓄熱燃焼装置、直接燃焼装置の1/5~1/10の大きさになります。
溶剤吸着燃焼装置は燃焼室が小さいので、機械の立上げ時間が短く(昇温時間が短い)、また、放熱量も少ないため、燃料消費を抑えることが可能です。 - Q7
運転時間の制約は? - A7
蓄熱燃焼装置は、運転開始前に蓄熱体を昇温させる必要があり、1~2時間の昇温運転が必要です。(昼間のみの運転には適しません。)
直接燃焼装置及び触媒燃焼装置は、昇温時間が比較的短く、昼間のみの運転が可能です。
溶剤吸着燃焼装置は、最も燃焼炉が小型で、昇温時間が短く(10分程度)、また、溶剤を活性炭に貯蔵し、一定量を燃焼炉で燃やすことができるため、断続運転にも適用 可能です。 - Q8
燃焼に伴うNOXの発生量は? - A8
有機窒素化合物(DMF、NMP、トリメチルアミンなど)を燃焼処理する場合、NOXの発生が懸念されます。(フーエルNOX=原料由来のNOXが発生)
溶剤吸着燃焼装置は、溶剤に水蒸気を混合させ、かつ、2段燃焼を行うことにより、NOX発生を抑えることが可能であり、NOX発生が懸念される溶剤処理に最適です。 - Q9
溶剤の除去率? - A9
装置の設置目的は環境負荷の低減にあります。
環境負荷は、
①溶剤の大気放出量
②処理装置を稼動させることによる、CO2(燃料消費)の増加量
の合計となります。
一般に①を減らせば②が増加し、バランスを取ることが重要となります。
触媒燃焼装置、蓄熱燃焼装置、直接燃焼装置の溶剤除去率は、95~99%程度で固定され増減させることはできません。
一方、溶剤吸着燃焼装置は、燃料消費量とのバランスをとりながら、除去率を70%~95%程度に調整が可能です。
本ページの所管部署 機械システム事業部