Vol.04
ストック
マネジメント
管路のスペシャ
リストとして
ストックマネジメント
事業化推進室
製品・サービスについてお教えください。
農業用水、工業用水など老朽化した圧力管路の長寿命化を図る各種更生工法をはじめ、管路調査診断技術や、維持管理のための管内メンテナンス技術を提供しています。更生工法では、KU-LINER工法、KF-LINER工法、をはじめとして、化成品事業部のL-PIP工法、薄肉FRPM管パイプインパイプ工法、馬蹄形FRPM管パイプイントンネル工法の計5種類を提供しています。
内径100mm~3000mmまでに対応しており、大きな幹線管路から小さな支線管路まで様々な管路へのソリューション提供が可能です。
また、調査診断システムでは、管内カメラ調査システム、内面載荷システム(開発中)および管体調査診断システムをラインナップしています。さらに管内メンテナンス技術としては、管路の流下機能を回復させる洗管工法(SCOPE工法AG)を取りそろえています。
これらの技術は、クリモトが資機材メーカとして110年という長い歴史の中で蓄積した多くのノウハウによるもので、お客様から高い評価と共にクリモトブランドへの信頼を頂いています。事業のコンセプトは、『調査から更生・更新まで管路の問題を一手に解決!』としています。
当社の強みを教えてください。
当社は創業以来、各種パイプの提供を通じて農業用水事業に深く携わってきており、これまでにも様々なノウハウや人脈を生かした技術開発、製品開発を進めてきました。管路更生市場にはすでに多くの他企業も参入していますが、過去に膨大な延長のパイプラインを納入してきたクリモトだからこそできることがあると考えています。当社では資機材メーカとして培ったノウハウを更生工法だけではなく、調査診断技術にも活用することで、他社とは一線を画したマーケットインの開発により、お客様に最適なストックマネジメントをご提案いたします。
また当社は2017年6月に『Re-パイプシステム工法協会』を設立し、北海道から九州まで会員総数13社体制で広報活動、責任施工を展開するなど、会員各社との強力なパートナーシップを形成しています。
※Re-パイプシステム工法協会会員総数は、2019年7月1日現在。
事業化の経緯についてお教えください。
インフラ(社会資本)の多くは高度経済成長時代に整備されたものがほとんどで、“拡張の時代”から“管理運営の時代”へと移行しています。パイプラインも例外ではなく、長寿命化を図るための多くの管路更生技術が開発され資機材メーカの他、施工業者や素材の製造業者など数多くが市場参入しています。当社はこれまでダクタイル鉄管や強化プラスチック複合管といった圧力管路の更新事業などで全国に多くの納入実績がありますが、布設後半世紀余りが経過する中で、地上の状況も大きく様変わりし、管路の布設替えができず更生工法を選択せざるを得ないケースも増加傾向にあります。そこで更新、更生の両面から対応できる複合的な資機材メーカとなることで、よりシナジー効果を発揮し、市場の変化をいち早くキャッチすることが出来るよう、管路更生ビジネスを立ち上げました。
今後、老朽化が進むことで膨大な量のストックが一斉に更新、更生の時代を迎えるにあたり、管路更生市場においても鉄管事業部、化成品事業部の事業部横断プロジェクトにより貢献してまいります。
市場参入において苦労したことを教えてください。
下水道市場で管路更生事業が成熟している中、当初社内では当社が管路更生事業へ市場参入することへの疑問の声がありました。しかし、我々プロジェクトメンバーは、後発ならではの強みを発揮できないか、との熱い思いから、徹底的なマーケティング活動を実施しました。ヒアリングの対象を全国のエンドユーザー、設計コンサルタントならびに施工業者に対象を拡げ、先行技術の課題やコスト等を徹底的に調べ上げ、これらを克服するような技術開発、製品開発に取り組みました。最初は試行錯誤の連続で、特に海外企業とのやり取りは言語の壁や商慣習などの違いで苦労しましたが、欧州事務所との連携強化や、国内のパートナー企業の協力を得たことで、鉄系・樹脂系両方のパイプを取り扱う資機材メーカとしての強みを発揮できる当社ならではの事業メニューを取り揃えることができました。2016年には管内カメラ調査業務と洗管工法(SCPOPE法AG)を、2018年にはKU-LINER工法をそれぞれ市場投入し、全国展開に向けた活動をスタートしました。
今後、事業をどうしていきたいですか?
管路更生ビジネスは主に自然流下方式の下水道分野では事業が成熟し、多くの企業が参入しています。しかし、農業用水や工業用水を対象とした圧力管路の更生においては、完成した技術はさほど多く存在しません。圧力管路の既設管は鋳鉄管、ダクタイル鉄管といった鉄系やPC管などのコンクリート系管材が多く、今後は強化プラスチック複合管も老朽管の仲間入りをします。当社はこれまでに納入したこれら圧力管路市場に対し、既設管路の長寿命化に積極的に取り組んでいきます。そして、管路のスペシャリストとして実績を積み重ね、リーディングカンパニーを目指してまいります。
https://www.re-pipesystem.jp/technology/technology03.html KF-LINER工法【ケーエフライナー】 現場硬化型更生工法。既設管路内面がガラス繊維強化プラスチック(FRP)に置き換わり、内面が平滑で、耐食性・耐久性に優れている。
https://www.re-pipesystem.jp/technology/technology03.html L-PIP工法【エル・ピーアイピー】 小中口径の老朽管を対象としたパイプインパイプ工法。
工場で製作したReダーツFRPM管を立坑で接合し、ジャッキにより順次、既設管内に挿入する。
https://www.re-pipesystem.jp/technology/technology03.html 薄肉FRPM管パイプインパイプ工法【うすにくエフアールピーエムかん】 管厚の薄いFRPM管を既設管路へ挿入する更生工法。
https://www.re-pipesystem.jp/technology/technology03.html 馬蹄形FRPM管パイプイントンネル工法【ばていけいエフアールピーエムかん】 馬の蹄の形をしたFRPM管を既設管路へ挿入する更生工法。
https://www.re-pipesystem.jp/technology/technology03.html SCOPE工法AG【スコープ工法エージー】 高反発性PCボール(軟質ウレタン樹脂)を管路内壁に密着させ、摩擦力と水流の作用で既設管路を強力に洗浄する工法。
https://www.re-pipesystem.jp/technology/technology02.html Re-パイプシステム工法協会【リパイプシステム工法協会】 https://www.re-pipesystem.jp/